専用線のある臨海工業地帯の小型レイアウト


 コーヒーでも飲みながら目の前のレイアウトを走る車両をぼ〜っと眺めていたいという想いから製作を始めました。イメージとしては鶴見線のような旅客列車と貨物列車が間近に見える路線で、周囲は海や工場といった風景を作りたいと思います。いままでのレイアウトが山を中心に市街地を作るという流れでしたが、今回はレイアウトのほとんどを人工物が占めるという新しい挑戦をしてみようと思います。途中で挫折せずなんとか完成までもっていきたいところですが…。


 2020.12.20
 第1回 ベースボードの紹介〜道床の設置

 ベースボードには900o×600o、厚さ5oのベニヤ板を使用し、裏は20oの角材で補強しています。線路配置はあらかじめ考察しておいた10プランの中から、駅と駅から分岐した専用線のあるプランを少し変更することにしました。ポイントのみトミックスのファイントラックを使用し、あとはKATOのフレキシブルレールを敷設するので、フレキシブルレールを敷く予定の部分にコルクシートを使用して道床を作りました。


 2020.12.25
 第2回 枕木塗装〜フィーダー線の設置

 フレキシブルレールを敷くため、まずはレールと枕木を分解して枕木を塗装します。エアブラシを使用して枕木様に調合しておいた茶色を吹き付けます。敷設後にバラストを散布して再度塗装を行うので、大まかな感じで塗装しました。その後、フレキシブルレールを元に戻し、敷設していきます。動画ではレール同士の接続でハンダ付けをしている様子や、レールの切断方法などを紹介しています。レールの敷設が終わったら、フィーダー線をハンダ付けして試運転に備えます。


 2020.12.30
 第3回 試運転

 フレキシブルレールの敷設が完了したので試運転に入りますが、その前にレイアウトで走行させる予定の鉄道コレクション鶴見線101系をNゲージ化したいと思います。この車両は購入後ディスプレイ用に各部に墨入れやウェザリングを行っており、鶴見線での長年の走行感がでていてお気に入りの車両です。
 なお試運転を開始直後、奥のS字のカーブで脱線が発生してしまいました。原因はフレキシブルレールのつなぎ目に僅かな隙間があり、そこをフランジがすり抜けてしまうため脱線していました。1o程度の隙間だったのでハンダで埋め、その後の試運転では101系を含めDE10形や貨物列車などもスムーズに走行しています。


 2021.1.5
 第4回 カントの設置〜運河の採掘

 試運転が終わった後ですが、走行中の車両を眺めているとやはりカーブでは車両が傾いていた方がリアルに見えるので、カントの設置を行いたいと思います。レール敷設前ならタコ糸などをレールの外側辺りに接着していけば簡単にカントを再現できるのですが、今回はレール敷設後なので薄い段ボールの切れ端をレールの外側に挿入してカントを再現します。やはりカントがあるのとないのとでは走っている模型の見え方も全然違いますので、作業をして正解ですね。
 カント設置後はレイアウトを横断する形の運河を作っていきます。今回は臨海工業地帯のレイアウトということで、海や運河を取り入れようと考えていました。あまり幅は広くなく、どちらかというと用水路のような運河ですが、これから製作をしていきたいと思います。


 2021.1.16
 第5回 海&運河の製作

 前回発泡ボードを採掘して作った運河とレイアウト手前の海の岸壁を作ります。海については厚紙を使用してスクラッチすることにしました。一方の運河の部分は手前から奥に向かって数種類の岸壁を再現しています。手前の橋梁部分は厚紙と津川洋行のデザインプラペーパー、中央部はパターンの違うデザインプラペーパー、そして中央やや奥は段ボールから作った護岸工事で仮設に使われるような波板のような護岸を再現しています。
 護岸の塗装&設置が終わった後は海面を塗装します。手前の海の部分についてはダークブルー、運河に入るにつれダークグリーンになるようアクリル絵の具を混ぜて塗っています。



 2021.1.24
 第6回 駅と架線柱の設置

 今回はレイアウトの手前に駅を設置してみます。駅はジオコレの駅とホームを塗装して小加工してみました。また駅の設置と同時に架線柱の設置も行っており、架線柱については駅構内にトミックスのマルチ複線トラス架線柱を使用してみました。この架線柱は複線間隔や設置する場所に合わせて長さを細かく変更できるスグレモノとなっており、今回も駅のホームから3線跨ぎで設置するのにとても便利でした。


 2021.1.30
 第7回 地面の製作

 今回はレイアウトのほとんどを占めている白い発泡ボードの処理です。ローカル線を再現したレイアウトなら土の表現を行い、草や木々を植えて家を建てていくという工程になりますが、今回は工業地帯の風景ということで、人工的な地面、つまりコンクリートの地面を作っていきます。
 また線路と交差する部分には踏切となるような道路を作り、線路際には架線柱を立てました。やはりベニヤ板やスチレンボードが埋まるだけでもレイアウト製作が一気に進んだ感じがしますね。

 また今回は動画の最後にレイアウトの片付けに関するコラムがあります。
 私のように小さな子供がいる家庭でレイアウトを破壊から守るためのちょっとした策です。


 2021.2.11
 第8回 鉄橋の製作と水面・地面作り

 今回は運河を渡る鉄橋の内の残り一方の製作を行い、海と運河の水の表現、そして次回に続く地面作りを行いました。
 鉄橋についてはグリーンマックスのキットを加工して下路式の橋を再現しています。そして鉄橋ができたところで海と運河に水を流しました。今回水面の表現に使用したのは、KATOのリアスティックウォーターです。加熱や調合も必要なく、下地の色さえ塗っておけばそのまま垂れ流すだけで簡単に水が作れるので重宝しています。
 そして最後はタミヤの情景テクスチャーペイントを使った地面作りです。以前使用していたグレインペイントが入手困難になってしまい、代替品を探していましたが、この製品を使うことで簡単に土の表現ができることが分かりました。 次回以降、草を生やしたりしてリアルな地面作りにつなげていきます。


 2021.2.20
 第9回 コンビナートの情景作り【前編】

 今回からはいよいよレイアウトのメインとなるコンビナートの製作を行います。
 まずはジオコレのコンビナートセットの開封を行いました。ガスホルダーや蒸留塔、冷却塔、積み出し所など、工業地帯を再現するのに欠かせないストラクチャーを詰め合わせたものになっており、それぞれの組み立てを行っていきます。組み立てが終わったらレイアウトに仮配置を行い、次回からのパイプの設置に備えます。


 2021.2.24
 第10回 コンビナートの情景作り【中編】

 前回に引き続きジオコレのコンビナートセットの組み立て&設置を行います。
 仮配置を行ったストラクチャー相互間にパイプを設置していきますが、まずは2か所の線路を越える部分にパイプ櫓を組み立てました。
 一方はペーパー製のワーレントラス、もう一方はコンビナートセットに付属の櫓をプラスチック製のI鋼でかさ上げしています。そして積み出し所へ延びるパイプまでの設置を行い、次回に続くこととなりました。



 2021.2.28
 第11回 コンビナートの情景作り【後編】

 コンビナートの情景作り「後編」ということで、今回でジオコレのコンビナートセットの配置は一応完了します。
 最後に設置するのは守衛所。油槽所内は関係者以外立ち入り禁止ということで、踏切を渡った先に守衛所を設置します。守衛所もただ置くのではなく、周りに芝生を再現して、工業団地にありがちな姿を再現しました。また冷却塔を中心とした各ストラクチャーへのパイプの接続も行い、ごちゃごちゃ感を充実させています。


 2021.3.14
 第12回 下地の再舗装とガソリンスタンドの設置

 前回公開した番外編のジオラマ製作記で良い結果を得た情景テクスチャーペイントを使用して、地面の再塗装を行いました。最初に塗装した段階ではアクリル絵の具を使用して灰色で舗装された地面を表現していましたが、近くで見るとあまりリアルでないことに不満を抱いていました。そこで塗料の中に小さな粒子が含まれている情景テクスチャーペイントのグレー系統を使用して舗装の地面を再現できないかと考えました。その実験として製作したのが前回の番外編のジオラマ製作記です。ジオラマで良い結果を得たので、今回全体を情景テクスチャーペイントで塗り替えました。
 またレイアウト手前部分の空き地にガソリンスタンドを設置しました。今後こちらは油槽所のあるコンビナートエリアとは対照的に、トラックが行き交うエリアとなります。


 2021.3.19
 第13回 貨物ターミナルの製作

 前回に引き続き、レイアウト中央部のスペースの作り込みを行いました。
 駅の裏手にあった大きな空き地は、トミックスの詰所やジオコレのトラックターミナルを使用してコンテナや荷物の取り扱いを行う貨物ターミナルを製作しました。 当初はコンテナ貨物列車の入線は考えておらず、トラックでのみコンテナの輸送を行うオフレールステーションの設置を考えていたのですが、手元にあったコキを線路に乗せたとたんコンテナの輸送も行いたくなり、貨物列車のターミナルに変更しました。 小さな規模のターミナルですが、タキでの液体輸送からタンクコンテナへの移り変わりを再現できればと思います。


 2021.3.28
 第14回 ひたすらバラスト散布

 専用線のある臨海工業地帯のレイアウト製作記その14です。
 今回はレイアウト全体にバラストを散布しました。 900o×600oの小型レイアウトとは言え、引き延ばすとまぁまぁの路線延長となるのでバラスト撒きも骨の折れる作業です。 とはいえバラストを撒くことでただのレールから線路へと変化する様は、終わった後にしてみれば達成感のある作業だといつも思います。
  動画内では私なりのバラストの散布方法のご紹介やバラスト選びについての独り言なども収録しています。 作業が単調なだけに色々と喋っていますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。


 2021.4.2
 第15回 バラスト塗装

 専用線のある臨海工業地帯のレイアウト製作記その15です。今回はバラストに塗装を行いました。
  トミックスのライトグレーのバラストを散布して終わった前回ですが、そのバラストを塗装してリアルな線路に仕上げます。 エアブラシを使用してグレー、錆色の順に塗装し、スミ入れ塗料を使って油染みを再現しました。 そして塗料が付着したレールの表面を磨いたところで次回の試運転へと繋がります。



 2021.4.9
 第16回 第2回試運転

 石油や化学薬品を取り扱うコンビナートや鶴見線のような埠頭に貨物列車がたむろしている風景を再現したNゲージの小型レイアウト製作記その16です。
今回はレイアウト製作に置いて2回目となる試運転です。
※試運転の様子は1分30秒辺りからお送りしています。

1回目はレイアウトプラン構築後、そして今回の2回目はバラスト散布と塗装を行った後に行いました。
この試運転が成功すればあとは周辺部を作り込んでいくだけですので、ある意味走行関係では完結といった重要な過程です。
鶴見線101系やDE10形の牽引する石油貨物列車、EF210形のフレートライナーなど、様々な車両を走らせて様子を見ました。
動画では走行シーンの他、タイムラプス撮影方法を用いた駅構内の車両の入れ換え風景も作ってみましたので、ぜひ最後までご視聴いただけるとありがたく思います。


 2021.4.24
 第17回 駅前の製作【前編】

前回バラスト散布後の試運転が終わり、あとは情景を作り込んでいくだけとなりました。
まず取り掛かったのはレイアウト手前に位置する駅前のスペース。
レイアウトの隅に位置しているため、作るのが難しい部分ではありますが、さんけいのペーパークラフトのビルや駅舎をベースボードに合わせて加工することにより克服しています。


 2021.4.28
 第18回 駅前の製作【後編】

前回に引き続き駅前の製作を行いました。
この駅前はレイアウトボードの端、特に鉄道模型レイアウトでも処理が難しいとされる右の隅に位置しています。
円形のエンドレスを組んだ場合、どうしても隅は三角形の土地になりやすく、製作するうえでネックとなる場所の一つです。
今回はそんなレイアウトの隅の処理テクニックの一例をご覧いただけたらと思います。


 2021.5.15
 第19回 廃タンクの製作

今回はエンドレスの内側の空き地に使われなくなったオイルタンク「廃タンク」を作ります。
河合商会のオイルタンクを2個重ねて背の高いタンクを製作し、エアブラシで塗装してウェザリングを行います。
そしてアスファルト舗装を再現した地面を情景テクスチャーペイントで土の地面に変え、草を生やして廃棄されたタンク周辺の情景を再現しました。


 2021.6.5
 第20回 町工場の設置

今回は駅の裏手にあたるレイアウト中央部に町工場の設置を行いました。
ジオコレの工場を小加工して情景に収まるようにしています。
また駅前から続くメインストリートに道路の白線を引きました。


 2021.6.26
 第22回 詰所と塀の設置

今回は駅の裏手にある大きな工業用地の製作に手を付けました。
まずはグリーンマックスの乗務員詰所キットを製作し、保線詰所を製作しました。
また詰所や工場用地、道路の境界に塀を設置しています。
さらにトミックスの詰所を使用して運送会社を作っています。


 2021.7.10
 第23回 柵と塀の設置

今回はレイアウトのコンビナート部分に柵や塀を設置しました。
また空き地部分にナノプランツ(ターフ)を散布し、線路際にもコースターフを撒いて草生した感じを再現しています。


 2021.7.17
 第24回 塀と工場の設置

前回に引き続き線路際に柵や塀を設置していく作業を行いました。
グリーンマックスの鉄路柵やトミックスのワイドレール用壁を応用して工業地帯を走る貨物線の雰囲気が出るよう作業を行いました。
またレイアウト端のそのままではストラクチャーを置けるような広さのないスペースにも、グリーンマックスの工場をカットして隙間に設置してレイアウトの外の生活感を感じさせないような工法を採っています。


 2021.7.27
 第25回 パイプラインの製作

引き続きレイアウトのすみっこを作っていきます。
今回はグリーンマックスの工場付属設備を使って空きスペースを処理しました。
工場地帯に見られるような道路をまたぐパイプラインの設置や、高さ制限のバー、そしてトラフルートの設営を行いました。


 2021.8.14
 第26回 バス営業所の設置

レイアウト製作も終盤に差し掛かり、今回はレイアウト中央部に残る空き区画の整備を行いたいと思います。
設置するのはKATOのバス営業所。
新品のままだとピカピカで綺麗なストラクチャーですが、これをエアブラシで塗装してウェザリングを行い、古ぼけた感じの建物に変身させてみようと思います。
完成品もこうすれば自分だけのオリジナルストラクチャーの出来上がりです。


 2021.8.22
 第27回 鶴見線101系を走らせよう

大きなストラクチャーの配置は終了したので、小物の設置にかかります。
道路標識や看板の設置、建物の表記類を貼り付けて車両を実際に走らせてみました。
車両の走行シーンを撮影するアングルでレイアウトを眺めれば、製作目線とはまた違った角度で見ることができ、今後の作り込みに役立ちます。


 2021.10.21
 第27回 鶴見線101系を走らせよう

900o×600oの大きさの中にジオコレのコンビナートセットを使った情景を作りたいということで製作を始めた小型レイアウトも、人形を配置してひとまずの完成を迎えました。
細かい点を挙げれば完成にはまだほど遠く、むしろレイアウト製作の楽しみはこれからが本番といっても過言ではないといったところですが、いかんせん飽きっぽい性格なので、この辺りでいったん製作記としては完成とさせていただきたいと思います。
今後もさらなる作り込みを行えばその都度番外編として進捗状況をお送りさせていただきたいと思います。
またレイアウト各所の紹介も別の動画として配信を行う予定です。



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